モノは所有している限りずっとお金がかかり続ける
今のマンションの間取りは、核家族(夫婦と子供2人の4人家族)向け70㎡の3LDK、
51C型と呼ばれる戦後に大量に供給された公営住宅の間取りが基本となっています。
一軒家でも4LDKぐらいが平均でしょうか。
収納は、和室の押入れからクローゼットが主流になり、
今はウォークインクローゼット、シューズクローゼットなども増えてきました。
しかし、その収納面積は床面積の10~15%です。
仮に70㎡の15%ならば10.5㎡が収納スペースです。
不動産経済研究所が発表した首都圏のマンション市場動向によれば
2016年3月の新築マンション価格は1戸当たり5,638万円、
1㎡あたり単価は80.2万円だそうです。
つまり、収納スペースは10.5㎡×80.2万円=841.1万円です。
仮に、住宅を購入価格全額35年ローン、金利は2%固定で購入したとして
返済総額:78,441,569円
支払利息総額:22,061,569円
月額返済額:186,765円
また収納スペースを計算してみると
186,765円÷70㎡×10.5㎡=28,015円
月額の1㎡あたり単価は2,668円です。
賃貸の方も同様に、家賃を床面積で割ってみれば
1㎡あたりの単価が出ますが、一般的には全く同じ条件の物件であれば
購入するよりも借りるほうが割高となります。
上の価格はバブル期に匹敵するもので明らかに高過ぎとも思えますが、
このように家を買うにしても借りるにしても
私たちはモノの収納スペースのためにお金を払っているのです。
しかも、上の金額はもともとその部屋に作り付けの収納スペース分しか考慮してません。
部屋の中に収納家具などを置けばさらにモノのために支払う金額が増えることになります。
当然収納家具自体も購入するとすればその費用も掛かります。
とにかく私たちは何かを所有することは自分の財産を増やすことだと思っていますが、
それは同時に管理にかかるコストを増やすことでもあるのです。
車を買うときには、購入代金だけあればいいと思う人はいないでしょう。
ガソリン代、税金、保険料など様々なメンテナンス、管理費用がかかります。
しかし、管理費用など考えてもみなかったそれ以外のモノも、全て所有するにあたって管理費用が掛かっていることがわかっていただけたと思います。
私たちは、たとえ、ただでもらったモノであっても、それを所有している限り、ずっとお金がかかり続けることを認識する必要があります。
起きて半畳寝て一畳
ということわざもあります。
本来、人が生活するにはどれだけのスペースが必要なのでしょうか。
言い換えれば、人はどれだけのモノを持つ必要があるのかということ
人それぞれの生き方にかかっているのだと思います。